大学の工学部でアルミを専攻していたこともあり、滋賀工場を見学する機会に恵まれ、大学での研究と親和性もあって入社しました。
なによりも、「自分で製品を作りたい、世の中に出していきたい」というモノづくりへのこだわりのほうが強かったのかもしれません。何せ入社当時は、重機の部品から家電製品までとても幅広い分野を手掛けていましたから。
基礎研究中心の大学から、実際に工場でモノをつくる現場を見てみると「実戦で役に立つ技術、世の中に役に立つ技術」が大切なんだと改めて実感しました。
入社後は開発部やR&Dセンターで家電や車の熱交換器開発に携わり、メーカー技術者とのやりとりや工場での量産化をしていました。
タイの工場では交換器を扱っているので、現地や協力会社とのやりとりも多く、タイに赴任することになったのは、ある意味必然というか、自然な成り行きでした。
ただ、出張と赴任では責任が異なります。製品のことだけでなく、工場経営全般に関わっていかなければなりません。
2011年、タイは大洪水に見舞われ、工場が水没してしまいました。設備をすべてやりなおして生産再開に漕ぎつけましたが、もちろん現地法人は負債を抱えてマイナスからのスタートという状況でした。
大変だったのは工場休止期間に離れたお客様に戻ってもらうこと。そこは営業任せにするのではなく、製造も開発も一緒になってみんなで信頼回復に奔走しました。
でもやっぱり一番苦労したのは社内の活気を取り戻すことでした。それには言葉の壁は結構大きい。
なかなか言いたいことが伝わらないし、業務効率も向上しない。そこでやっぱりたくさん話すしかない。言いたいことはホワイトボードに書いて、昼食は一緒にとって、時にはパーティに招いて仕事以外のコミュニケーションも大切にしました。
すると、だんだん意思疎通がスムーズになって、こちらの意図が伝わるだけでなく返ってくるスピードも速くなって精度も上がってきました。
すると2,3年経って、会議ではワイワイと意見が出るし改善もどんどん進んで活気が戻ってきました。そうなるとこれまでマイナスだったサイクルがプラスに転じ、並行して注文も戻ってくるようになったのです。
今では、お客様も戻ってきましたし、新たに海外から注文が来るようになりました。これはお客様の要望に的確に応え、仕様を広げてこれたからです。今後は販売量維持と品質の向上に加え、新たな柱となる事業をつくることが重要。私たちの技術を使って世の中に役に立つ製品を作れないか、ニーズとシーズの接点を模索中です。
2007年入社
UACJ Metal Components
Thailand Co.,Ltd.
■今後のビジョン
日本に戻ったら、タイで培った経験を活かして、国内外の各拠点をサポートする立場として役割を果たしたいと思っています。
■オフ
家族も帯同して赴任して、ずいぶん長くなります。
子供が現地で生まれましたし、子供と遊ぶのが楽しみですね。
近くの公園には野生のオオトカゲがいて、それをみにいったり、電車に乗って出かけたりしています。 タイは住みやすい国ですよ。特に子供に優しくてよく面倒見てくれます。
■メッセージ
社風からも規模感からも、自分のやりたいことや想いが届きやすい会社です。やりたいことがあれば、能動的にアクションすることで実現が可能。
チャレンジしたい人にはぴったりだと思います。
ある日のスケジュール
(現地時間:時差2時間)